薬剤性肝障害(やくざいせいかんしょうがい)
薬剤性肝障害(やくざいせいかんしょうがい)
薬剤性肝障害とは、薬剤の使用が原因で起こる肝障害の総称です。中毒性肝障害、蓄積性肝障害、アレルギー性肝障害の3種類に分けられ、そのほとんどはアレルギー性肝障害とされています。
薬剤性肝障害の症状
薬剤性肝障害の症状としては、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状、全身倦怠感、黄疸などが約半数の人にみられますが、特徴的な症状は発熱、発疹(薬疹)、かゆみです。薬剤を使用したあと、これらの症状があらわれた場合は、薬剤性肝障害が疑われます。
薬剤性肝障害の原因
薬剤性肝障害の原因は、中毒性肝障害は使用量が一定以上になると、薬剤やその分解産物の毒性が肝臓に作用して起こります。原因となる薬剤は特殊な病気に使用されることが多く、通常、使用量に比例して障害も大きくなります。
蓄積性肝障害は肝臓の薬物代謝が不十分なために薬剤が蓄積して起こります。
アレルギー性肝障害は使用した薬剤に対するアレルギー反応(過敏症)として起こる肝障害で、薬を使用したあとすぐに症状があらわれるのではなく、一定期間(1~4週間)をおいてあらわれるのが特徴です。使用量の多少に関係なく、特定の薬物に対してきわめて敏感に反応した場合に起こります。
アレルギー性肝障害の原因となる薬剤はさまざまですが、抗生物質、解熱鎮痛消炎薬、精神安定薬、高血圧や不整脈に使用される薬などに多くみられます。
薬剤性肝障害の検査
薬剤性肝障害の検査は、採血して肝機能検査や、白血球の一種でアレルギー反応を起こすと増加する好酸球の数を調べます。同時に肝炎ウイルスの検査を行なってウイルスの感染による肝障害ではないことを確かめる必要があります。
また、アレルギー性肝障害が疑われる場合には、リンパ球培養試験などが行なわれます。
薬剤性肝障害の治療
薬剤性肝障害の治療は、一般に原因となった薬剤の使用を中止すれば自然に軽快します。食欲不振、黄疸、発熱などの症状が強い場合や肝機能が著しく低下している場合は、副腎皮質ホルモンが使用されることがありますが、通常は安静と肝臓の修復を助ける薬剤などの治療で治ります。
ただし、まれに劇症肝炎を起こすことがあるので、必ず医師の指示に従って治療を受けることが大切です。
薬剤性肝障害の予防
薬剤性肝障害の予防は、アレルギー体質の人、あるいは薬物アレルギーを起こしたことがある人は、薬剤性肝障害を起こしやすいので薬剤の連用を避けます。そうでない人も薬剤の使用にあたっては医師や薬剤師とよく相談し、使用中は過労や睡眠不足などを避け、体調に注意することが大切です。体調が悪いと薬剤性肝障害を起こしやすく、重症化しやすいからです。
以前に薬剤性肝障害を起こしたことがある人が、後に原因となった薬剤を再度使用すると前回よりも重い肝障害を起こし、劇症肝炎になることもあります。薬剤性肝障害を起こしたら、必ず原因の薬剤を調べ、以後は決して使用しないことです。また、今後、薬剤の投与を受ける場合には、肝障害の原因となった薬剤名を必ず医師に伝えることが大切です。
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