慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん)橋本病
慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん)橋本病
慢性甲状腺炎とは、甲状腺ホルモンの産生が低下して起こる病気で、甲状腺機能低下症の大半はこの病気によるものです。バセドウ病と同じく自己免疫疾患のひとつであり、甲状腺の病気のなかでは、この2つが多くみられます。男性の数十倍と圧倒的に女性に多く、とくに40~50歳代に多くみられます。女性の数%から10数%が、潜在的にこの病気をもっていると考えられています。
慢性甲状腺炎の原因
慢性甲状腺炎の原因は、明確にはわかりませんが、免疫異常によって、血液中に甲状腺に対する各種の自己抗体ができ、甲状腺の組織に障害が生じると考えられます。障害が高度になると、細胞が破壊され、甲状腺の機能が低下します。免疫異常を起こしやすい体質は遺伝するため、同じ家系の女性にこの病気がみられることがあります。
慢性甲状腺炎の症状
慢性甲状腺炎の症状は、のどぼとけの下にある甲状腺全体が、蝶が羽を広げたような形にはれて大きくなります。バセドウ病と似ていますが、橋本病では比較的かたくて、表面がごつごつした感じのことが多いようです。約半数の人は、甲状腺がはれているほかは症状がありません。甲状腺がかなり大きくはれても、気管や食道の通りが悪くなることは、まずありません。
慢性甲状腺炎の残りの約半数の人が甲状腺機能低下症を起こし、声のかすれやからだのだるさなどを感じます。寒がりになる、集中力がなくなる、もの忘れがひどくなる、居眠りをする、筋力が低下する、言葉がもつれる、便秘がちになる、押してもへこまないむくみができるなどの症状があらわれることもあります。
慢性甲状腺炎の検査
慢性甲状腺炎の検査については、血液中の甲状腺ホルモンの量を測定します。甲状腺機能低下症が疑われる場合は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の量を調べます。TSHがふえているか、甲状腺に対する自己抗体が血液中にみつかれば、診断がつきます。
さらに、甲状腺から細胞をとって調べる生検が行なわれ、本来は甲状腺にないリンパ球や変性濾胞細胞がみつかれば、確実です。
慢性甲状腺炎の治療
慢性甲状腺炎の治療については、甲状腺機能低下症がある場合は、甲状腺ホルモン製剤で甲状腺の機能を補います。この薬は毎日欠かさず、生涯続けなければなりません。薬の量は人によって異なり、心臓疾患がある人や機能低下の著しい人は、少量から開始して慎重に増量します。
甲状腺の機能が正常の場合は、年1、2回の定期検査だけで、治療の必要はありません。ただし、はれを小さくしたり首の不快感をやわらげるために、甲状腺ホルモン製剤を飲むことがあります。
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