急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)

かぜ症候群の症状がおさまるころに、せきやたんなどの症状があらわれます。

急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)

急性気管支炎とは、気管支や気管支の内側の粘膜に、急性のカタル症状(一過性で、比較的治るのが早い炎症)が起きる病気で、多くは、かぜ症候群にかかったあと、続いて起こります。
かぜ症候群の症状がおさまるころに、せきやたんなどの症状があらわれます。

原因はかぜ症候群と同様、ウイルス、細菌、マイコプラズマなどの病原微生物によって起きることが多く、また、刺激の強いガスの吸入によって急性気管支炎になる場合もあります。
かぜ症候群とは、主に上気道にカタル症状があらわれる症候群のことで、急性気管支炎は、かぜ症候群が気管支や気管に起きた病気ともいえます。

気管とは、鼻や口から吸った空気を肺に運び入れる気道のうち、喉頭部の先から7~8cmの部分のことです。
気管が胸のほうへ下がると、左右の肺に分岐する部分があります。
ここで枝分かれした気道を気管支と呼びます。

急性気管支炎の症状

急性気管支炎の症状の代表的な症状はせきです。
かぜ症候群の初期の症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、声がれ、のどの痛みなどが収まるころに、せきがでます。

初めはからぜき(たんをともなわないせき)ですが、そのうちにたんをともないます。
でてくるたんは粘り気があり、膿のような色をしてきます。ひどくなると、線状の血が着くことがあります。

せきが激しく、長く続くと、胸や腹の筋肉が痛くなる場合もあります。
非常に強いせきのため、肋骨骨折を起こすこともあります。

また、せきのしかたが悪いと、のどの粘膜を破いて、ふたたびのどの痛みがでてきます。
気管が左右の肺へ分かれて気管支となる分岐部分は、刺激に対してとくに敏感なため、この部分に、急性気管支炎によって炎症が起きた場合は、激しいせきとともに、胸骨の後ろに不快感を覚えたり、激しい熱さを感じることもあります。

発熱はふつうありません。熱はでてもあまり高くなりません。
ただし、マイコプラズマの感染によって急性気管支炎になった場合は、熱がでることがよくあります。

マイコプラズマに感染すると、気管支ぜんそくにかかっている人の場合はぜんそくが誘発され、もともと慢性気管支炎をもっている人は、喘鳴[ぜんめい]と呼ばれるゼーゼー、ヒューヒューと鳴る呼吸が起きることがあります。
また、気管支がマイコプラズマの感染で侵されて、粘膜上皮が剥離した場合、気管支が冷気や煙などの物理的刺激に敏感に反応しやすくなります。
このため、からぜきがでて、長く続くことがあります。

激しいからぜきがなかなか治らない場合は、マイコプラズマの感染が疑われます。
急性気管支炎は、主に気管や気管支などの比較的太い気管に起きる病気ですが、より細い気道の細気管支まで進む場合もあります。
細気管支は気管支の末端部分で、炎症が起きると治りにくいところです。

また、慢性の呼吸器疾患がある場合は、動脈血に含まれる酸素量が低下することもあり、呼吸苦を感じるようになりますます。

急性気管支炎の原因

急性気管支炎の主な原因は、パラインフルエンザ、ライノウイルスなどのかぜ症候群の原因となるウイルスです。
かぜ症候群と同様、ウイルスに限らず、細菌、マイコプラズマなどの病原微生物の感染によることもあります。

かぜ症候群にかかったあと、二次性の細菌感染が起きたために、急性気管支炎になる場合もよくみられます。
とくにインフルエンザにかかったときは、二次性の細菌感染によって急性気管支炎が起きることが多くあります。

また、刺激の強い化学ガスや熱風を吸い込んだことにより、急性気管支炎になることがあります。

急性気管支炎の合併症

急性気管支炎の合併症は、二次性の細菌感染により、肺炎が起きることがあります。

また化膿性炎症、繁殖性炎症など、治りにくい炎症に進む場合もあります。
とくに、もともと慢性の呼吸器疾患をもっている人は肺炎を併発しやすくなります。

このため、慢性の呼吸器疾患のある人は、急性気管支炎と診断された場合、胸部X線撮影など、先を見越した診断を受ける必要があります。

急性気管支炎の検査

かぜ症候群にかかって数日のうち、急にせきがでたといった症状から、医師が診断するのがふつうです。

急性気管支炎の検査は、聴診器を胸に当てると、湿性ラッセル音や乾性ラッセル音が聴こえるので、気管支の異常がわかります。
たんが黄緑色になった段階では、たんを培養すると、病原となる細菌がみつかります。

慢性の呼吸器疾患をもっている人のほかは、胸部X線撮影を行なっても異常はあらわれないので、胸部X線撮影は行なわないのがふつうです。
細菌感染を確かめるため、血液検査で白血球数や血沈値を調べることがありますが、急性気管支炎の場合、正常値の結果がでるので診断の基準にはなりません。
ウイルスの検査は、血清の抗体価で診断できますが、感染10日後でなければわかりません。

急性気管支炎の治療

急性気管支炎の治療は、ウイルスなどの病原微生物が原因の場合も,ガスなどの刺激による場合も対症療法が中心です。
カタル症状は治りやすいので、対症療法で十分です。

急性気管支炎の原因となるウイルスに有効な抗ウイルス剤は、まだありません。
現在のところ、インターフェロンを含めた、いくつかの抗ウイルス剤をが研究されている段階です。

対症療法としては、せきを止めるための鎮咳剤、たんを出しやすくする去たん剤、炎症をおさえる消炎剤などを内服します。
たんをともなうせきがでる時期には、たんを出しやすくするため、去たん剤をネブライザー(噴霧器)で吸入したり、ネブライザーや加湿器で、気道に湿りけを与えるのも効果があります。
また、最近はたんを正常化するというムコレギュレーターの概念が取り入れられ、そのための薬剤が使われようになりました。

薬剤を服用後、多くは1週間ほどで治ります。
ただし喫煙の習慣のある人は、治るまでふつうより時間がかかります。

1週間以上たっても治るきざしがみられない場合や、たんが黄緑色になった場合は、二次性の細菌感染が起きたと考えられるので、抗生物質を用います。
急性気管支炎の原因となる病原微生物のうち、マイコプラズマとクラミジアには、テトラサイクリン、マクラロイドなどの有効な抗生物質があります。
したがって、マイコプラズマかクラミジアの感染が原因と考えられる場合は、初めから抗生物質を用います。

薬剤を服用すると、副作用で胃腸障害が起きる場合があります。
薬剤を食後すぐ服用したり、胃の薬といっしょに服用することにより、胃腸障害の副作用を防ぐことができます。
また、薬は症状を軽減したり、合併症を予防する目的のためにのむものなので、必要以上にのまないことも大切です。

急性気管支炎の療養には、安静と保温が大切です。
症状がおさまるまでは外出、通勤・通学などは控え、家で休んでいることが望まれます。

そのさい、からだを暖かくするなど、保温にも気を配り、冬季には、部屋全体を暖かくし、湿度を保つことも大切です。喫煙はよくありせん。
発熱、発汗、せきやたん、荒い呼吸などで水分が不足しがちになるので、水分補給にも心がけてください。
ただし、取り過ぎないようにしてください。

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